双極性障害による長年の入院
Aさん(60代、男性)は、双極性障害と診断され、何十年も病院に入院していました。Aさんの知能は中学生程度で、日常のコミュニケーションはとれますが、契約の締結など難しい判断はできませんでした。

等価交換契約締結の必要
Aさんのご両親は、ご主人(Aさんのお父様)名義の一戸建てに居住していましたが、ご主人が亡くなった後も、登記はご主人名義のままとなっていました。
ご自宅がある地区が再開発の対象となり、お母様とAさんは再開発事業者との間で、土地建物の等価交換契約(売買契約)を締結する必要が生じました。Aさんは、遺産分割協議や売買契約を行うための判断能力はなく、Aさんに成年後見人を選任する必要が生じました。再開発事業者からも、Aさんに後見人を選任するよう申し入れがありました。
後見人選任の申し立て
そこで、弁護士高石を後見人候補者として、成年後見の申立てをしました。申立にあたって主治医が作成した診断書は、後見相当という内容でした。審理の結果、弁護士高石がAさんの後見人に選任されました。
遺産分割協議と等価交換契約締結
そして、後見人高石と お母様 との間で、遺産分割協議書を締結し、自宅の相続登記をするとともに、開発事業者の間で、新たに建設する建物との等価交換契約を締結することができました。その結果、Aさんと お母様 は、新しいマンションの一室を手に入れることができました。
お母様との面会の実現

また、後見人高石は、Aさんが長年、 お母様 に会えていなかったことから、後見人になった直後から、Aさんを外出に連れ出し、 お母様 の自宅に連れて行くことができました。Aさんは、 お母様 との再会を大変に喜びました。 お母様 も、高齢のため自分でAさんの病院に会いに行けなくなっていたことから、後見人が選任されたからこそ面会が実現したことに涙を流して喜んでいました。その後も頻繁に、面会を実現することができました。
Aさんのお母様は自分が亡くなった後のAさんのことを長年心配していましたが、後見人が就いたことでとても安心されました。
マンションの売却

Aさんとお母様が取得した新しいマンションは、お母様が介護施設に移った後、お母様と後見人で売却しました。
数年後、母が亡くなった後は、Aさんは、後見人が付き添って頻繁に母のお墓参りに行くことができました。外出は、Aさんにとって、とてもよい息抜きになっていました。
入退院手続き
その後、Aさんは精神病院へ入院し、その後退院して元の病院に戻りました。その入退院の手続きも後見人が行いました。
数年後、Aさんは透析が必要になったことから、透析ができる病院へ転院しましたが、その転院手続きも後見人が行いました。
その後、Aさんが亡くなるまで、後見人として職務を行いました。
Aさんが亡くなった後は、Aさんには相続人がいないため、家庭裁判所から選任された相続財産管理人に財産を引き継ぎ、後見人の職務は終了しました。
また、Aさんやお母様からは、面会が何度も実現できたことがとても喜ばれました。