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年金分割とは?  ~仕組みや必要な書類、手続きの流れ、分割しなかった場合との比較など分かりやすく解説~

年金分割とは、実際にはどういった制度なのか、具体的などういった手続きが必要なのか、分かりやすく説明します

目次

Q 年金分割とはどういうものですか?

 厚生年金を分割すること

 合意分割制度と3号分割制度という2種類がある

 合意分割制度はどういう場合にできるのか

 3号分割制度はどういう場合にできるのか

Q 年金分割をすると夫の年金を半分もらえるのですか?

Q 年金分割を受けた場合は国から直接受け取れるのですか

Q 年金分割を行った場合の具体的な例

1離婚したが年金分割をしていない場合

2離婚をして合意年金分割をする場合

Q 年金分割の手続きは具体的にどのように行うのですか

年金分割とはどういうものですか?

厚生年金を分割すること

年金は、
①国民全員が加入する国民年金と、
②会社などに勤務している人が加入する厚生年金の
二階建てとなっています。

そのうち、②の厚生年金について、分割をすることができます。

これを年金分割といいます。

合意分割制度と3号分割制度という2種類がある

年金分割には、合意分割制度と3号分割制度という2種類の分割制度があります。

合意分割制度とは、(平成20年3月31日以前も含めた)婚姻期間の全部の期間の年金納付記録について合意で分割ができる制度です。

3号分割制度とは、合意がなくても平成20年4月1日以後の婚姻期間中の厚生年金納付記録を分割することができる制度です。

合意分割制度と3号分割制度の違いは、合意分割制度は、婚姻期間中であれば平成20年3月31日以前についても、分割の対象に含めることができること、3号分割制度は、平成20年4月1日以降の婚姻期間中のみに限られるものの、当事者の合意がなくても、分割を受ける側のみでできるという点です。

例えば、3号分割は、DVなどで夫のもとから逃げてきて、離婚は成立したものの、年金分割について改めて話し合いで合意をすることが難しい場合にも、平成20年4月1日以降の分は3号分割ができるという場合などに意味があります。

合意分割制度はどういう場合にできるのか

合意分割をするためには、
婚姻期間中の厚生年金あるいは共済年金記録があること
2 当事者双方の合意または家庭裁判所の調停や裁判手続により分割を定めたこと
3 原則として離婚から2年以内であること
の条件を満たす場合に、
夫婦の双方の合意または裁判手続きによって、一方(多くの場合は夫)が婚姻期間中に納めた保険料の納付記録を他方(多くの場合は妻)に分割することができます。


年金分割を行った場合、分割後の納付記録を元に、それぞれの年金額を算出します。

その算出された年金額を受け取るということになります。

3号分割制度はどういう場合にできるのか

離婚をし、会社員に扶養されていた配偶者(自分では国民年金や厚生年金に加入する義務のない方)からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ、分割することができる制度です。

その場合、
1 婚姻期間中に平成20年4月1日以後に会社員等の配偶者に扶養されていた期間があること
2 原則として離婚から2年以内であること

の要件を満たせば、加入記録を分割できます。
当事者の合意は必要ありません。

ただし、分割される方が障害厚生年金の受給権者で、この分割請求の対象となる期間を年金額の基礎としている場合は、「3号分割」請求は認められません。

年金分割をすると夫の年金を半分もらえるのですか?

離婚において年金分割をする場合、要するに、分割する側が納めていた厚生年金記録が、もう一方が納めていた年金保険料の額に加算される、ということですので、

単純に夫が受け取る年金の半分を妻がもらえるわけではありません。

分割する側の厚生年金の加入期間と結婚してから離婚するまでの期間が全く一致する場合には相手の厚生年金部分が半分もらえるようになるという形にはなりますが、国民年金は双方すでに受給できるので、相手の国民年金部分まで半分もらえることにはなりません。

年金分割を受けた場合は国から直接受け取れるのですか

年金分割をした場合、双方の年金納付記録が書き換えられ、その情報に基づき、年金が計算されます。

その結果、年金を受給する年齢になった場合は、双方とも、年金受給手続きをすることで、日本年金機構等から、分割後の年金を直接、受給することができます

年金分割を行った場合の具体的な例

例えば、以下のようなケースを考えます。

夫Aさん 現在42歳

 20歳から国民年金の納付を開始

 22歳で就職 厚生年金の納付を開始

妻Bさん 現在41歳

 20歳から国民年金の納付を開始

 22歳で就職 厚生年金の納付を開始

Aさん29歳、Bさん28歳の時に結婚

Bさんは結婚と同時に退職し、専業主婦となり現在に至る

離婚したが年金分割をしていない場合

もし、Aさん42歳、Bさん41歳の時点で離婚をしたが、年金分割をしていない場合は、Aさんが受け取る金額は、20歳から納めた国民年金と22歳から退職するまで納めた厚生年金により、将来受け取る年金が決まります。

Bさんが受け取る金額は、20歳から22歳までの国民年金と、22歳から28歳までの6年間に納めた厚生年金と、28歳から離婚するまでの期間の国民年金と、離婚後に納めた厚生年金(または厚生年金)によって、将来の年金額が決まります。専業主婦の間は、国民年金を納めていたと同様の状態となり、Bさんは結婚していた間は国民年金を納めていたということになります。Aさんとの結婚中13年間に夫が納めていた厚生年金はBさんには影響しません

離婚をして合意年金分割をする場合

夫42歳、妻41歳の現時点で離婚し、夫から妻へ、夫の年金記録のうち半分を妻に分けるという年金分割の合意をし、妻が年金分割の手続きをしたとします。

夫の年金納付記録のうち、厚生年金に加入しているのは、22歳から42歳までの20年間です。しかし、婚姻期間中の部分のみが分割されるので、妻と結婚した29歳から42歳までの13年間が分割の対象です。その13年間に納めた厚生年金保険料の半分が、夫の納付記録から減り、その分、妻が納めた年金保険料に加算されるのです。

なお、夫の納めた年金保険料の額がいくらなのかは、その当時の夫の収入に応じて定まるので、人によって異なります。

年金分割の手続きは具体的にどのように行うのですか

1 年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を取得する

  請求方法はこちら→情報通知書の請求手続き

2 年金分割の話し合いをする

   分割割合は原則的に半分です

   合意内容に基づいて「年金分割の合意書」を作成する(離婚公正証書の中に、合意内容を記載するのでもOKです) →4へ

   3号分割の場合は、合意は不要です →4へ

3 合意ができない場合

 ①家庭裁判所に調停を申し立て調停で合意 →年金分割の調停調書ができる

 ②調停で合意できなかった場合は、家庭裁判所の審判により裁判所が決定する

 ③離婚自体が合意できない場合は、離婚裁判を提起する

  →和解離婚する OR 判決で年金分割が決定される

 調停や裁判による離婚についてはこちら→調停離婚・裁判離婚について

4 年金分割の請求手続

   分割を受ける側が、年金事務所に必要な書類を提出して行います

   必要書類については合意分割の場合こちら→合意分割の請求手続き、3号分割の場合はこちら→3号分割の請求手続き日本年金機構

5 「標準報酬改定通知書」を受け取る

  標準報酬に基づいて計算された年金が、将来受け取れるようになります。

  年金の受給年齢となったら、年金受給のための一般的な手続きは必要です。

  より詳細な手続きや必要な書類についてはこちら→合意分割の請求手続

年金分割の制度は、将来の確実な収入になるので、年金分割は忘れずに求めるようにしましょう。

また、手続きは複雑で、用意する書類も多いので、不安がある場合は、離婚に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
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